かんそうをいろいろおとすブログ

感想をいろいろおとします。(映画などなど)

リモートドラマ&映画を観ましょ!

自粛&ソーシャルディスタンスが求められる昨今。私が大好きなドラマや映画も新たな「かたち」を模索しています。その中で出てきたのがリモートドラマ&映画です。

 

役者の画面共有や個々に撮影したものを利用して、編集して、作品として作られています。どんどん新しい作品が出てきてて、私も追えていない部分もありますが、私が観て面白かった作品を紹介したいと思います。

 

「ダブルブッキング」

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日本テレビで6月28日に放送された本作。TVerやhuluで鑑賞できます。

二人の彼女(佐津川愛実さん・奈緒さん)との約束をダブルブッキングしてしまった彼(千葉雄大くん)の物語です。

想像ができないラストやそれに向かう伏線の数々も含め、純粋に楽しい作品でした。

 

「第七銀河交流」

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https://note.com/shinpa/n/n1918c532ab4d

「SHINPA」という在宅映画製作企画の中で岩切一空監督が製作した本作。

リモートならではの男女トラブルや恐怖を描いた作品です。岩切監督は日常(男女の関係性)の根底の怖さを一種の飛躍をもちながら「花に嵐」「聖なるもの」で描いてきました。どの作品も荒々しい作りながら、岩切監督が今後の日本映画界で重要人物の一人だと実感できる作品たちです。


映画『花に嵐』予告編


『聖なるもの』本予告編

 今回の「第七銀河交流」も岩切監督の才気あふれる作品でした。しかも上記二作品と比べても、個人的にさらに完成度が増してるように感じます。

 

上記二作品のほかにも、次々とリモートドラマや映画は現れております。。どの作品もリモートならではの「距離」=「ディスタンス」をテーマにした素晴らしい作品で、面白い作品も多いので、ぜひご覧ください!!!

 

 

 

 

ストーリーオブマイライフ 若草物語〜家族とは。

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レディ・バード」のグレタ・ガーウィグ監督とシアーシャ・ローナンが再タッグを組み、ルイザ・メイ・オルコットの名作小説「若草物語」を新たな視点で映画化。南北戦争時代に力強く生きるマーチ家の4姉妹が織りなす物語を、作家志望の次女ジョーを主人公にみずみずしいタッチで描く。しっかり者の長女メグ、活発で信念を曲げない次女ジョー、内気で繊細な三女ベス、人懐っこく頑固な末っ子エイミー。女性が表現者として成功することが難しい時代に、ジョーは作家になる夢を一途に追い続けていた。性別によって決められてしまう人生を乗り越えようと、思いを寄せる隣家の青年ローリーからのプロポーズにも応じず、自分が信じる道を突き進むジョーだったが……。ローリーを「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメ、長女メグを「美女と野獣」のエマ・ワトソン、末っ子エイミーを「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、4姉妹の母をローラ・ダーン、伯母をメリル・ストリープが演じるなど豪華キャストが集結。第92回アカデミー賞では作品賞はじめ計6部門でノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞した。
2019年製作/135分/G/アメリ
原題:Little Women
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 以上.映画.comよりhttps://eiga.com/movie/92285/

素晴らしい評判を聞いておりまして、劇場で鑑賞してきました!噂に違わぬ素晴らしい作品だと思いました。

 

「家族」というのは時に傷つけあって、離れて、時には抱きしめ合うのだ。そして自分を後押ししてくれるのもその「家族」という絆なのだ。そんなことを思わせてくれる映画だと思いました。

 

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映画は過去と現在を縦横無尽に行き来します。最初は混乱をしたものの、徹底した美術の描き分けにすぐに気にならなくなり、心配は喜雨に終わりました。

 

美術と演者陣の演技、どれを取っても素晴らしい完成度で、アカデミー賞受賞も納得の作品でした。映画館通い再開後、初めて「映画」というのを実感できた作品でした!

 

 

「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」~熱い「言葉」のぶつかり合い!

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1969年5月に東京大学駒場キャンパスで行われた作家・三島由紀夫と東大全共闘との伝説の討論会の様子を軸に、三島の生き様を映したドキュメンタリー。1968年に大学の不正運営などに異を唱えた学生が団結し、全国的な盛り上がりを見せた学生運動。中でももっとも武闘派とうたわれた東大全共闘をはじめとする1000人を超える学生が集まる討論会が、69年に行われた。文学者・三島由紀夫は警視庁の警護の申し出を断り、単身で討論会に臨み、2時間半にわたり学生たちと議論を戦わせた。伝説とも言われる「三島由紀夫 VS 東大全共闘」のフィルム原盤をリストアした映像を中心に当時の関係者や現代の識者たちの証言とともに構成し、討論会の全貌、そして三島の人物像を検証していく。ナビゲーターを三島の小説「豊饒の海」の舞台版にも出演した東出昌大が務める。監督は「森山中教習所」「ヒーローマニア 生活」の豊島圭介
2020年製作/108分/G/日本 配給:ギャガ 以上、映画.comよりhttps://eiga.com/movie/92457/

繰り広げられる熱い「言葉」のぶつかり合いが必見の作品でした!

 

三島氏と東大全共闘、両者とも冷静で高度な言葉選びをしながらも、その根底にある強い想いが当時の映像からビシビシと伝わってきます。

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僕は両者(右・左)の思想にも共感してるわけではないけど、純粋に面白い「言葉」のぶつかり合いに、ドキドキワクワクの連続でした。

 

三島氏のどこから撮っても画になるカッコいい佇まい。劇中で大きな異物感をもたらす赤ん坊を抱えたアイツ。純粋に映画として楽しい一本です。

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ラストのこの戦いを経験した者たちの熱いメッセージも含め、とにかく熱量をもった映画でした。公開中なので、ぜひ劇中で!!

 

「地獄」~石井監督が描く平成事件と地獄談

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平成日本を震撼させた事件の犯人たちが、地獄の責め苦に苛まれる様をシュールかつエログロに描出する世紀末社会派劇。監督・脚本は「ねじ式」の石井輝男。撮影を「美容師三姉妹 乱れ髪くねり腰」の柳田友貴が担当している。主演は佐藤美樹(「義母覗き 爪先に舌絡ませて」のさとう樹菜子の別名)。
1999年製作/101分/日本
配給:石井プロダクション=オーピー映画 以上、映画.comよりhttps://eiga.com/movie/36843/

今回GYAO!で無料配信されていた映画。色々雑誌で見かけることがあって、映画好きとして観ておいた方が良い映画だと思っていたので、今回観てよかったです。。

gyao.yahoo.co.jp

描かれるのは平成を代表する事件たち。幼女連続殺人事件を起こした宮崎勤(劇中では宮島ツトム)、地下鉄サリン事件を引き起こしたオウム真理教(劇中では宇宙真理教)、毒入りカレー事件を起こす夫婦たちまで。。。

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↑毒カレー事件を引き起こした奥様。。。

 

それぞれの描写はとにかくリアルで、胸糞悪く、彼らに同情もなく淡々と描かれます。特にメインで描かれるオウム真理教の描写。実際の事件の数々、坂本弁護士一家殺人事件や地下鉄サリン事件、信者たちのリンチ事件をエロくグロく描きます。そしてその後のやるせない裁判シーンまで。。。

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↑麻原氏もこんな感じ、ちょっと痩せてる気もしますが、描写は本当に気味悪いです。

 

そして彼らを裁く「地獄」の数々。緩さなど全くなく、彼らが裁かれていきます。舌引っこ抜きや灼熱地獄、鋸引きの刑などなど、それらの描写はCGなど全く無く、特撮で描かれるためコミカルにも見えますが、ある意味の生々しさも感じます。

 

これらの描写は『彼らの「救い」など全く必要ない』という石井監督からの強いメッセージを感じます。

石井監督は「恐怖奇形人間」や「網走番外地」などカルト映画の監督として知られている監督ですが、本作もそれらの作品に負けていない作品だと思います。

 

ラストに登場する丹波哲郎氏演じる武士も含めて珍作感は抜けない本作ですが、石井監督の強いメッセージだけでも観る価値がある作品でした。

 

 

青春の終わり~「東京の恋人」

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映像作家とミュージシャンのコラボレートした映画の祭典「MOOSIC LAB 2019」の長編部門で最優秀女優賞などを受賞した大人のラブストーリー。結婚して夢をあきらめた主人公とかつての恋人が再会し、久しぶりに過ごす時間を通し、やがてそれぞれが戻らない青春と決別する姿を、音楽グループ「東京60WATTS」の楽曲にのせて描く。結婚を機に映画監督という夢をあきらめ、北関東に移り住んだ立夫はある時、学生時代の恋人・満里奈から連絡を受けて数年ぶりに東京へ行く。そこで満里奈とのひと時のアバンチュールの時間を過ごし、かつての仲間とも再会する立夫だったが……。主演は、俳優のほか映画監督としての顔ももつ森岡龍と、「恵比寿★マスカッツ」のメンバーなどでも活躍する川上奈々美。監督は、いまおかしんじ作品の音楽などを手がけてきた下社敦郎。
2019年製作/81分/日本 配給:SPOTTED PRODUCTIONS 以上、映画.comよりhttps://eiga.com/movie/92809/


映画『東京の恋人』予告

 STAY HOME MINI-THEATERにて鑑賞しました。今回は「Abstract Edition」ということで、特別版での鑑賞となりました。

 

「青春の終わりは泥臭く、生々しくて、痛々しい。。。」そんなことを思わせてくれる素晴らしい作品でした。 

 

まず主演の森岡龍さんと川上奈々美さんの身体的魅力が素晴らしく、作品全体のパワーを引き出しておりました。この二人の佇まいを観るだけでも、この映画の価値があると思います。

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また、作品を彩る「東京60WATTS」の楽曲群も作品の泥臭い雰囲気にマッチしておりました。


東京60WATTS 外は寒いから

 

全体が泥臭い「青春の終わり」を描いてて、それが少し寂しく感じたり、希望を感じさせてて、観て良かったと思える作品です。。。

 

公開は6月27日です。。私も劇場でもう一回観たいですね。。ぜひ皆様、劇場で鑑賞しましょう。。。

 

「自分」を形づくるもの~「舞台 転校生 女子編」

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~あらすじ~

ある高校の教室。高校生達の一日。課題図書や近しい人の病気や出産の事が話題になっている。そこへ、「朝起きたらこの学校の生徒になっていた」と言う転校生がやってくる。
日々教室で繰り返される他愛のない会話とともに「生」と「死」が同時に語られていく。
転校生を受け入れながら、身近で起きている出来事を通して、人間の存在の不確かさが浮かび上がる現代口語演出の秀作。

↑以上http://enbu.co.jp/kangekiyoho/parco%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B92019%E3%80%80%E8%88%9E%E5%8F%B0%E3%80%8E%E8%BB%A2%E6%A0%A1%E7%94%9F%E3%80%8F%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/ より

 

劇場公演時に観に行きたかった作品でしたが、タイミング合わずに観れなかった作品です。一年経って期間限定でyoutube公開ということで、鑑賞して参りました!

https://www.youtube.com/watch?v=7gYY9eo1ulY&t=1s

↑13日まで無料公開!

 

アラサー男性にとって、この年齢になると色々な「悩み」を抱えています。。。それでもその「悩み」こそが「自分」を形づくっていると思わせられる作品でした。

 

この作品で描かれるのは本当に何も起こらない高校生の「日常」です。それでもその「日常」が凄い感動的なんですよね。。。作中では全世界の高校生の厳しい「現実」が語られます。。そしてその「現実」と向き合うからこそこの高校生の「日常」がかけがえのないものだと実感できます。。

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今回の平田オリザさんの名作を演出したのは、本広克行さんです。映画監督として賛否両論の印象をもつ本広さんですが、演劇フリークで有名なんですよね。この二人のコンビと言えばももクロ主演で学生演劇を描いた「幕が上がる」です。個人的に本広監督最高傑作で、ももクロの輝きと学生特有の生々しさがマッチした素晴らしい作品でした。

 

期間限定ですが、短めの時間で楽しめる作品ですので是非!来週は男子編が公開されます。楽しみですね。。

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作品をつくるということ~「劇場版SHIROBAKO」

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アニメーション業界の日常や実情、実態を描いて話題を集めたテレビアニメ「SHIROBAKO」の完全新作劇場版。監督は「ガールズ&パンツァー」などの人気作を手がける水島努。いつか必ず一緒にアニメーション作品を作ろうと約束した、上山高校アニメーション同好会の5人。卒業後、アニメ制作会社「武蔵野アニメーション」の制作進行として働く宮森あおいをはじめ、アニメーター、声優、3Dクリエイター、脚本家など、5人はそれぞれの場所や役割でアニメーション制作に携わり、「第三飛行少女隊」で夢に一歩近づくことができた。アニメーションの世界に自分たちの居場所を見つけ、少しだけ成長した5人の前に、新たな苦悩や試練が立ちはだかる。タイトルの「シロバコ」は、映像業界で使われる白い箱に入ったビデオテープを指し、作品が完成した際に制作者が最初に手にすることができる成果物の意味。
2020年製作/119分/G/日本 配給:ショウゲート 以上、映画.comよりhttps://eiga.com/movie/89138/

映画館鑑賞再開後初の映画でした。映画鑑賞の再開は作品の大切さ、作ることの尊さを実感できる映画で。。。ということでこの映画を選択しました。。

 

元々テレビ版でも鑑賞していましたが、アニメーションの作ることの難しさと辛さが描かれると同時に、アニメーションの素晴らしさや人が努力することの大切さが描かれる傑作となっていました。

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本作もアニメ版の良さを引き継ぎつつも、アニメ版から数年経っているためさらにより「現実」に向き合わなければならない作品になっております。

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宮森を筆頭とした5人組がその「現実」にどのような答えを出すのか。アニメ版から数年経っている私自身も興味深く鑑賞できました。。

 

作品をつくるということの大切さを実感できる本作。。この時期だからこそ必見の作品でした。